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墓じまい

位牌の処分方法|お焚き上げ・永代供養の費用相場と「ごみに出してよいのか」の答え【2026年版】

|18分で読めます
和室で位牌をそっと手に取る手元|位牌の処分方法と費用相場

「実家を片づけていたら位牌が出てきた」「仏壇じまいをすることになったが、位牌はどうすればいいのか」——位牌の処分は、多くの方が人生で一度あるかないかの場面です。しかも「捨ててはいけない気がする」という気持ちだけがあって、何が正しいのかは誰も教えてくれないという状態になりがちです。

結論から言えば、位牌の処分はお焚き上げか永代供養のどちらかで手放すのが一般的で、その前に閉眼供養(魂抜き)を行います。費用の目安は1万〜10万円程度です。そして意外に知られていないのが、位牌の処分に役所の手続きは一切要らないということです。遺骨をお墓から移す「改葬」には行政の許可が必要ですが、位牌はそれとは扱いがまったく違います。

本記事では、処分の方法・作法・費用を整理したうえで、多くの記事が曖昧にしている「そもそも位牌をごみに出すのは法律で禁じられているのか」という点と、浄土真宗ではそもそも位牌を用いないという宗派の事情まで踏み込みます。仏壇そのものの処分については仏壇の処分方法|供養から引き取りまでの手順をあわせてご覧ください。

位牌の処分方法は2つ ― お焚き上げと永代供養

位牌を手放す方法は、大きく2つです。どちらも「ただ捨てる」のではなく、供養をしたうえで手放すという考え方に立っています。

お焚き上げ

永代供養

やること

閉眼供養のあとに焼いて浄化し、手放す

お寺に位牌を預け、管理・供養を続けてもらう

位牌はどうなる

残らない

お寺に残る(合祀の形で祀られることが多い)

費用の目安

1万〜5万円程度

3万円以上が一般的

向いている方

ここで区切りをつけたい方、仏壇じまいと同時に整理したい方

手放すことに抵抗がある方、お参りの対象を残したい方

どちらを選ぶかは、「手元から離すこと」と「無くなること」のどちらに抵抗があるかで決めると考えやすくなります。仏壇じまいと同時に位牌も整理する場合はお焚き上げが選ばれやすく、「お参りする先は残しておきたい」という場合は永代供養が向いています。

依頼先の優先順は、①菩提寺 → ②葬儀社・仏壇仏具店 → ③専門業者・郵送供養サービスです。菩提寺がある場合は、まずそちらに相談するのが確実です。宗派の作法に沿って対応してもらえるうえ、位牌以外(仏壇・仏具・遺影)もまとめて相談できます。

処分の前に行う「閉眼供養(魂抜き)」とは

閉眼供養(へいがんくよう)は、位牌や仏壇に宿った魂を抜く儀式です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれます。位牌は購入した時点ではただの木の札で、開眼供養(魂入れ)を経て初めて故人の依り代になると考えられています。その逆の手続きが閉眼供養です。

閉眼供養を経ることで、位牌は「故人の依り代」から「木の札」に戻ります。お焚き上げも永代供養も、この儀式を済ませてから行うのが基本です。菩提寺に依頼するのが一般的で、自宅に来てもらう形と、位牌を寺に持参する形があります。

なお、実務上は閉眼供養とお焚き上げがセットで行われることが多いのが実情です。費用も「閉眼供養のお布施にお焚き上げまで含まれている」ケースが多いため、依頼するときは「閉眼供養だけか、お焚き上げまで含むか」を確認してください。

白木位牌・本位牌・繰り出し位牌 ― 種類で手放し方が違う

「位牌」と一口に言っても3種類あり、それぞれ扱いが異なります。手元にあるものがどれかを確かめてから動くと、話が早く済みます。

  • 白木位牌(仮位牌)——葬儀の際に祭壇に安置される白木のもので、四十九日法要までの仮の位牌です。四十九日で本位牌に切り替えたあと、菩提寺がお焚き上げするのが通例で、法要の一環として対応してもらえることがほとんどです
  • 本位牌——漆塗りなどで作られた、仏壇に安置する正式な位牌。開眼供養を経ているため、処分には閉眼供養が要ります。この記事で扱っているのは主にこれです
  • 繰り出し位牌(回出位牌)——中に数枚の札板が入っていて、それぞれにご先祖の戒名などを記して納められるもの。「処分」の前に検討したい選択肢でもあります

3つ目は特に重要です。「位牌が増えすぎて仏壇に入らない」という理由で処分を検討している場合、繰り出し位牌にまとめれば手放さずに済みます。処分を前提に調べ始めた方も、一度この選択肢を挟んでから決めると後悔が減ります。

位牌処分の費用相場

費用の目安は次のとおりです。出典によって幅が違うため、両方を併記します。幅があること自体が「相場であって定価ではない」ことの表れです。

項目

目安

出典

閉眼供養のお布施(お焚き上げまでの費用を含むことが多い)

1万〜10万円程度

小さなお葬式

閉眼供養(魂抜き)

1万〜5万円程度

イオンのお葬式

お焚き上げ

1万〜5万円程度

小さなお葬式

閉眼供養とお焚き上げをお寺で合わせて

1万〜5万円程度

イオンのお葬式

専門業者・郵送での供養

1万〜3万円程度

イオンのお葬式

永代供養に出す場合

3万円以上が一般的

小さなお葬式

無料のお焚き上げ(郵送)

送料のみ負担

お位牌Maker®(RKDコーポレーション株式会社)

お布施には地域差があり、菩提寺との関係によっても変わります。金額に決まりがあるものではないため、迷ったら「皆さまどのくらい包まれていますか」と菩提寺に直接うかがうのが最も確実です。失礼にはあたりません。上の数字は「見当をつけるための目安」として使ってください。

位牌の処分に役所の手続きは要らない ― ごみ分別の事実と、それでも出さない理由

ここが、多くの記事が曖昧にしているところです。順番に整理します。

行政手続きは一切不要

お墓から遺骨を移す「改葬」には、墓地埋葬法にもとづく改葬許可が必要です。市区町村の窓口で改葬許可申請を行い、許可証の交付を受けなければ遺骨を移せません。一方、位牌の処分に行政の許可・届出は一切必要ありません。位牌は遺骨ではないため、法律上の手続きの対象になっていないのです。

「位牌も何か届け出が要るのでは」と身構える必要はない、というのがまず押さえるべき事実です。必要なのは行政手続きではなく、宗教的な作法(閉眼供養)と、家族との合意です。手続きが要るのはどちらかというと墓じまいの手続きのほうで、位牌はその中では最も手続きが軽い部類に入ります。

自治体のごみ分別では「燃やすごみ」に分類されている

さらに踏み込むと、自治体は位牌のごみ区分をきちんと持っています。たとえば横浜市のごみ分別辞典では、位牌は「燃やすごみ」(木製のもので、装飾品等が取り外せるものは分別)と案内されています。ちなみに仏壇は「粗大ごみ」です。

つまり「位牌をごみとして出すことは、法律でも条例でも禁じられていない」のが事実です。禁止されているから供養するのではありません。ここを正しく理解しておくと、罪悪感に振り回されずに判断できます。

ただし、位牌の項目を一覧に載せていない自治体もあります(仏壇は載っていても位牌はない、というケースがあります)。区分は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体のごみ分別一覧でご確認ください。

それでも、そのままごみに出すことはおすすめしません

法律で禁じられていないとしても、閉眼供養をせずにそのままごみに出すことは強くおすすめしません。理由は2つあります。

1つはご自身の気持ちです。位牌は故人の依り代として手を合わせてきた対象で、区切りをつけないまま手放すと、後になって心に残ることが少なくありません。もう1つは親族との関係です。あとから「勝手に捨てた」と受け取られるリスクがあり、これは実際に起きているトラブルです。

閉眼供養を経て「木の札に戻った」という区切りをつけたうえで手放す。この順序を守れば、方法がお焚き上げでも永代供養でも、納得のいく形になります。

浄土真宗は、そもそも位牌を用いない

宗派によって話が変わるのが位牌です。とくに浄土真宗では、位牌を用いません

浄土真宗本願寺派の築地本願寺は、公式サイトの仏事相談で「一般的に浄土真宗本願寺派では位牌は用いません。過去帳をお使いください」と明示しています。背景には、浄土真宗では「故人は亡くなってすぐ仏になる」と考えられていることがあります。故人が現世にとどまらないため、依り代としての位牌を必要としない、という教えの筋道です。

そのため、「魂を抜く」という発想自体がありません。浄土真宗本願寺派で行われるのは、入仏法要(仏さまをお迎えした際の法要)と遷仏法要(お仏壇を移動したり引き払う前の法要)です。これらは仏壇についての法要であり、「位牌の魂抜き」の言い換えではありません。

実務的にどうすればよいかというと、浄土真宗の家で位牌が手元にある場合、その位牌をどう扱うかは菩提寺に相談するのが正解です。他宗から移った、あるいは葬儀社の手配で作られた、といった経緯があることも多く、「宗派の作法どおりに閉眼供養をする」という一般論がそのまま当てはまりません。宗派による違いは浄土真宗の永代供養|考え方と費用でも扱っています。

位牌を手放すタイミング

位牌の処分が話題になるのは、次の5つの場面です。

  1. 四十九日法要で本位牌に切り替えるとき——役目を終えた白木位牌を、法要の一環としてお焚き上げしてもらう
  2. 三十三回忌などの「弔い上げ」を迎えたとき——個別の年忌供養に区切りをつけ、位牌も併せて整理する
  3. 位牌が古くなったり破損したりしたとき——作り替えに伴い、古い位牌を手放す
  4. 複数の位牌を一つにまとめるとき——繰り出し位牌へ集約し、元の位牌を手放す
  5. 仏壇じまいや引っ越しで仏壇を手放すとき——位牌の置き場所がなくなるため、仏壇と一緒に整理する

実際に最も多いのは5つ目です。仏壇じまいの費用と手順は仏壇じまいの費用相場で解説していますが、位牌と仏壇は同時に閉眼供養をしてもらえば、お布施が一度で済むことが多いため、別々に動くよりまとめて相談したほうが費用も手間も抑えられます。お布施の考え方そのものについてはお布施の相場と包み方もご覧ください。

「無料お焚き上げ」を使う前に確認したいこと

近年は送料だけを負担すれば供養・お焚き上げは無料という郵送サービスもあります。たとえばお位牌Maker®(RKDコーポレーション株式会社)は「費用無料(送料のみご負担)」で位牌のお焚き上げを受け付けています。菩提寺がない方や、遠方で持参が難しい方には現実的な選択肢です。

ただし、利用の前に確認しておきたい条件があります。

  • 個人限定であることが多い——上記サービスも「対象は個人の方限定」で、業者・寺院・介護・不動産・産廃業者からの依頼は受け付けていません。遺品整理業者にまとめて任せる場合は使えません
  • 梱包に指定がある——同サービスでは「梱包はできる限り簡素に」「プチプチではなく布や紙を使う」とされています。遺影はガラスとフレームを外して写真のみ、仏像はタオルや紙で包む、といった案内もあります
  • 閉眼供養が含まれるかは別——「お焚き上げ」と「閉眼供養」は別の行為です。菩提寺がある場合は、閉眼供養だけは菩提寺にお願いするという分け方も検討してください

そして最後に、方法を決める前に家族・親族に伝えること。位牌の処分は、費用の多寡よりも「聞いていない」で揉めます。重要な判断を一人で決めてしまうと、他のご親族から抗議を受ける可能性があります。ひとことの共有が、いちばん効く予防策です。

位牌の処分に関するよくある質問

Q1. 位牌を処分するのに、役所への手続きは必要ですか?

不要です。お墓から遺骨を移す「改葬」には墓地埋葬法にもとづく改葬許可が必要ですが、位牌の処分に行政の許可・届出は一切いりません。必要なのは行政手続きではなく、宗教的な作法(閉眼供養)と、家族・親族との合意です。

Q2. 位牌をそのままごみに出してもよいのですか?

法律・条例で禁じられてはいません。実際、横浜市のごみ分別辞典では位牌は「燃やすごみ」(木製で装飾品等が取り外せるものは分別)と案内されています。ただし、閉眼供養をせずに出すことはおすすめしません。ご自身の気持ちの区切りがつかないこと、そして親族から「勝手に捨てた」と受け取られるリスクがあるためです。区分は自治体ごとに異なるので、お住まいの自治体の分別一覧でご確認ください。

Q3. 閉眼供養(魂抜き)のお布施はいくら包めばよいですか?

目安は1万〜10万円程度とされています(お焚き上げまでの費用が含まれていることが多い)。別の情報では1万〜5万円程度という幅も示されており、出典によって差があります。お布施は地域差と菩提寺との関係で変わるため、決まった額はありません。迷ったら菩提寺に直接うかがうのが最も確実で、失礼にはあたりません。

Q4. 浄土真宗でも位牌の魂抜きは必要ですか?

浄土真宗ではそもそも位牌を用いません。浄土真宗本願寺派の築地本願寺は「一般的に浄土真宗本願寺派では位牌は用いません。過去帳をお使いください」と案内しています。「故人は亡くなってすぐ仏になる」と考えるため、依り代としての位牌を必要とせず、「魂を抜く」という発想自体がありません。行われるのは入仏法要(仏さまをお迎えした際)と遷仏法要(仏壇を移動・引き払う前)で、これらは仏壇についての法要です。浄土真宗の家に位牌がある場合は、経緯もさまざまなので菩提寺にご相談ください。

Q5. 白木位牌(四十九日までの仮位牌)はどうすればよいですか?

四十九日法要で本位牌に切り替えたあと、菩提寺がお焚き上げするのが通例です。多くのお寺で法要の一環として対応してもらえるため、別途の手配が要らないことがほとんどです。四十九日の打ち合わせの際に「白木位牌はそのままお願いできますか」と一言確認しておけば済みます。

Q6. 仏壇じまいと一緒に位牌も処分したいのですが、順番は?

仏壇・位牌ともに閉眼供養をしてから処分します。まず菩提寺に相談し、仏壇と位牌をまとめて依頼するのが効率的です。同時に閉眼供養をしてもらえばお布施が一度で済むことが多く、別々に動くより費用も手間も抑えられます。仏壇の処分方法と費用は関連記事で解説しています。

Q7. 位牌が増えすぎました。処分するしかありませんか?

処分の前に「繰り出し位牌(回出位牌)」という選択肢があります。中に数枚の札板が入っていて、それぞれにご先祖の戒名などを記して納められるもので、複数の位牌を一つにまとめられます。「仏壇に入りきらない」という理由であれば、手放さずに解決できる可能性があります。

まとめ:手続きは要らない。要るのは作法と、家族への一言

位牌の処分は、閉眼供養(魂抜き)をしてから、お焚き上げか永代供養で手放すのが基本の流れです。費用の目安は1万〜10万円程度で、閉眼供養とお焚き上げがセットになっていることが多いため、依頼時に含まれる範囲を確認してください。

  • 行政手続きは不要——改葬(遺骨)とは違い、許可も届出もいりません
  • ごみに出すことは禁じられていない——横浜市では「燃やすごみ」に分類。それでも閉眼供養を経ることをおすすめします
  • 依頼先は菩提寺が第一——宗派の作法に沿い、仏壇・仏具もまとめて相談できます
  • 浄土真宗は位牌を用いない——一般論が当てはまらないため、菩提寺への相談が要ります
  • 処分の前に繰り出し位牌——「増えすぎた」が理由なら、まとめて残す道があります
  • 決める前に家族へ一言——費用より、ここでのトラブルのほうが多いのが実情です

位牌の処分は「正解を知らないまま決めるのが不安」という種類の悩みです。手続きが要らないぶん、自分と家族が納得できる形かどうかだけが判断基準になります。急いで決める必要はありません。世代をまたぐお墓や供養の考え方の違いについては、親はなぜ墓を建てるのか ― 団塊世代と次世代の距離もあわせてご覧ください。

参考・出典

本記事のうち、改葬許可の要否は墓地埋葬法にもとづく事実、ごみの分別区分は横浜市の公式案内、浄土真宗本願寺派の位牌の扱いは築地本願寺の公式案内に基づいています。費用の「相場」は供養サービス提供者が公表する目安であり、特定のお寺・業者の料金ではありません。お布施の金額に決まりはなく、地域・寺院により異なります。ごみの分別区分は自治体ごとに異なります。実際のご判断にあたっては、菩提寺およびお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の判断についての助言ではありません。

監修
Okuri note編集部

Okuri note編集部

監修・編集

終活・お墓・散骨・永代供養に関する情報を、編集チームが調査・執筆しています。墓地埋葬法をはじめとする葬送関連法規の最新動向、各地の霊園データ、実際の利用者の声を継続的にリサーチし、初めて終活に向き合う方にもわかりやすい記事をお届けすることを目指しています。一部記事については行政書士などの専門家による監修も予定しています。

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